毎年1月に米ラスベガスで開催される「CES」は、従来は国際家電見本市として各企業が新製品をアピールする場でしたが、いまや単なる見本市ではなく、今後の技術革新の方向性を各企業がいち早く示す場となっています。そのため、私も毎年CESで発表される情報をとても楽しみにしていますし、年々加速していく技術進化のスピードに驚きを隠せません。
2020年のCESでも、世界の代表的な企業が多く出展していました。その中で、特に印象に残ったのは、「企業ビジョン」を発表した日本のメーカーです。「企業ビジョン」を見える化できるように、その壮大な世界観を具体的な形で示すことで、来場者に強烈なインパクトを与え、報道関係者の注目を集めました。そして、自社で完結するだけでなく、業種や業界の枠を越えてさまざまな企業に協力を呼びかけながら、社会課題の解決に挑もうとする使命感には、世の中からも大きな期待が寄せられているのではないでしょうか。
一方で、CESから強く感じた技術革新トレンドは、「あらゆる産業に『デジタル化』の波が一気に押し寄せている」ということ。「デジタル化」がもたらす影響は、既存の産業構造やビジネスモデルを大きく変えてしまうだけでなく、新しいプレイヤーの参入のハードルを下げ、企業や人の競争をより激しくしていきます。
その時、エンジニアの皆さんは、新たな未来を創り出す技術革新のトレンドに貢献するべく、個々の技術力を高め続けなければなりません。新しい基礎技術を開発するときも、既存の技術を組み合わせて新しい価値を創り出すときも、各々がクリエイティビティを遺憾なく発揮して、エンジニアとして常にキャリアを磨くことを考え続けながら、テクノロジーを駆使することが大事だと捉えています。
インターネットがようやく普及し始めた25年前と違い、昨今の「デジタル化」へのスピードは急速に早まっています。この先10年の生活変貌は、想像をはるかに超えるものになるでしょう。「デジタル化」には、既存サービスを根底から覆すだけのインパクトがありますが、それは同時に、新しい何かを生み出す好機でもあるのです。私たちも、柔軟に変化対応して新しい価値の創造にまい進することで、より豊かな社会の実現に貢献できるよう全社一丸となって取り組んでいきましょう。
「Engineering Firm at The Core」を追求する企業の果たすべき役割として。
代表取締役社長
國分 秀世