2020年8月 (社員向け)社長メッセージ
不確実な世界を切り拓く
2020年5月に、ものづくり企業や技術の動向について、経済産業省・厚生労働省・文部科学省の3省共同で取りまとめた「2020年版 ものづくり⽩書」が公開されました。⽇本の製造業の現状における⼤きな課題点として、世界の「不確実性の⾼まり」を取り上げ、それに対応する戦略を4つ掲げています。その4つとは、1)「企業変⾰⼒」の強化、 2)「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)」の推進、 3)「設計⼒」の強化、 4)「⼈材」の強化 です。
私は、4つの戦略はお互いが密接につながりあっていると考えます。例えば、今世界の課題を解決するプロダクト戦略を実現する際、設計・開発のリードタイムを可能な限り短縮することが求められます。その場合、欧米では小さなサイクルを何度も回す「アジャイル型」開発で進めることが有効とされ、短期間でプロジェクトが生み出す製品・サービスの価値を最大化することを目指します。
ユーザーの膨大な情報を吸い上げてフィードバックすることによって、世に出した製品の改良に活かす、あるいはもっと使いやすくするためのバージョンアップに活かす、といった循環サイクルを効果的に創り出すには、「DX」の推進が不可欠です。そして、迅速で創造的な「設計力」で、価値を最大化していく。そのためには、「複数のテクノロジーをどう組み合わせて製品・サービスを生み出すのかをデザインできる力」や「論理的かつ数理的な思考力」を持つデジタル人材が必要になるでしょう。日本のものづくりでは、長年「ウォーターフォール型」開発が主流でしたが、ユーザーニーズに応じて開発手法そのものを根本的に見直す「企業変革力」が、今まさに重要になっています。
われわれのグループ中期経営計画では、「The Transformation」を掲げて「事業モデルを変革」し、お客さまとエンジニアのさらなる「満足度向上」を追求していくためにスタートしました。不確実な外部環境を見極めて、会社・社員が世の中の変化に適応できる「変化対応力」と「主体的行動」を身に付けられるよう、進めています。「ものづくり白書」にある4つの戦略についても、日本のものづくりにこれからも貢献し続けていくわれわれにとって、非常に重要な戦略目標として取り組まなければなりません。
7月7日より、経営と社員の皆さんが一体となって、より具体的に中期経営計画の戦略を遂行していくために、エリアや受託を担当する執行役員と社員の皆さんとの対話の場として「エリア統括・受託型担当懇話会」をスタートしています。不確実な世界だからこそ、われわれ自身がどう変革し、次代を切り拓いていくのか。一緒に考動していきましょう。
代表取締役社長
國分 秀世