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2011年9月 (社員向け)月例社長メッセージ

だからこそ中計を推進する

先日の米国債の格下げショックを契機に、再び、世界経済全体の先行きに暗雲が広がってきました。これまで、リーマンショック後の世界経済は、「ゆるやかな回復基調」ということが言われていましたが、実はリーマンショックの根源となる問題(不動産価格の値上がりを前提とした経済や金融のしくみ、マネー経済と実体経済の乖離、実体経済の成長性、先進国と新興国の調和の取れた経済関係性など)は、ほとんどが解決されないまま、先送りされただけだったということが明らかになったととらえるべきかもしれません。

日本では、ようやくリーマンショックから立ち直ろうとしていた矢先に東日本大震災が起き、さらに円高が続き、ふたたび不透明感が高まっているという状況ですが、社会経済自体が、今後は不安定な状態で推移すると考えておいた方がいいと思います。残念ながら、どの企業も個人も、みんなそろって右肩上がりに豊かになっていく経済社会は、少なくとも日本という国の中では終わったという認識をした方が、これからの判断をまちがえないのではないか、ということです。

これからは、この不安定で不透明な時代を生き抜いていける企業と、そうではない企業に分かれていくという認識でもあります。たいへん厳しい現実ではありますが、逆に言えば、どんなに厳しい状況であっても、そこに人々が暮らし経済活動が営まれていく以上、生き残っていく企業はあるということであり、そのために、自分たちは何をしなければならないか、ということだと思います。景気とか、国とかに依存すること自体が最大のリスクになっていきます。

実は、そうした認識の下に取り組んでいるのが、今回の新・中期経営計画「共創21」なのです。したがって、中計のすべてではありませんが、これから不透明感が高まれば高まるほど、逆に加速して取り組んでいかねばならないこともあります。その最たるものが、事業部門戦略目標の「より強い顧客基盤の構築」です。この目標に即した施策は加速していくので、あらかじめ、エンジニア・営業にかかわらず、全社員の皆さんにお伝えしておきます。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介