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2014年1月 (社員向け)月例社長メッセージ

時代を生き抜く力

新年明けましておめでとうございます。

2013年は、アベノミクスによる政策転換によって、日本の経済環境は大きく変わりました。為替が円安に変化したことは、輸出依存比率の高いお客さまの収益に大きく寄与しています。企業収益が上がることはよいことですが、為替差益を除くと、実は減収減益のお客さまがあることも事実です。一般的には、自国通貨が下がると外貨ベースの商品価格が下がるので、海外での価格競争力が高まることによって輸出量が増えるとされていますが、今のところ、日本からの輸出量に目立った増加はありません。つまり、為替差益によって円ベースの収益は向上していても、数量ベースで好転しているお客さまは、まだ限られているということです。

それは、リーマンショック以降、急速に進んだグローバル化の影響かもしれません。日本メーカーの生産と開発の現地化が進んだことにより、現地で売るものは現地で生産するケースが増えたことから、為替が円安になっても輸出量が増えていないかもしれないからです。したがって、企業収益が好転しているのは、もしかしたらアベノミクスではなく、米国の景気が徐々に持ち直し始めているからかもしれません。

また、アベノミクスは日本経済の動きであり、世界経済全体の動きではありませんから、仮に世界のどこかでリーマンショックのようなことが起きれば、状況は大きく変わる可能性もあります。

新年早々、何が言いたいかというと、足元の短期的な変化だけに目を奪われるのではなく、中長期的な目線も、常に持った方がいいということです。中長期の目線といっても、世の中の変化を先読みしようということではありません。社会や経済は、ますます複雑系(※)となって予測することが困難になってきているからです。では何を見るべきかというと、自分自身の中長期的なことです。それは、自分自身は、今年は、昨年以上に成長しようとしているかということであり、今の自分は、5年後、10年後に、今よりも成長している自分であるために、今やるべき努力をしているかということです。

世の中が、どのように変わろうとも、自分自身が成長を続ければ生き抜いていけることを、私たちは生涯エンジニアの皆さんから教えていただいています。どんなに厳しい時代になろうとも、自分が成長し続ける力こそが、その厳しさを乗り越えて生き抜く力になっていくと思います。

今年も、社員一人ひとりの成長と共に成長していくメイテックを、全社員で創り出していきたいと思います。

本年も、よろしくお願いいたします。

(※)複雑系
生命現象、気象現象、あるいは人間社会そのもののように、個々の要素が相互に複雑に
影響を与え合うことによって、全体に大きな影響を及ぼすシステム

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介