今、世の中では、「時間」の活用について、語られることが多くなっていると感じます。
例えば、わが国の超少子高齢社会に伴う労働力減少の対策として、女性や高齢者という潜在的な労働力・労働時間の活用促進など。
また、2015年4月に、裁量労働制の適用対象を拡大する労働基準法改正案が国会に提出されており、適正な労働時間の考え方について、議論される予定です。
私自身も、「時間」の活用については、常に意識をして考えるようにしています。
「時間」とは、誰にとっても限りあるものであり、平等であり、やり直しがきかないものです。
私は、33年前にメイテックエンジニアとして働きはじめた時、「時間」を2つの視点で捉えていました。一つは、設計開発業務という仕事の「時間」。もう一つは、個人の「時間」です。
まず、仕事の「時間」は、いかにアウトプットを高められるか、ということに集中しました。
設計開発業務においては、「時間」をかければかけるほど、より良いものが出来ることは周知の事実。ですが、「時間」をかけることによって、開発コストが上がってしまったら、完成した製品が売れない可能性もあります。
「時間」というのは、価値を生むためのファクターではありますが、創造することとの掛け合わせの中で、アウトプットを高めることができるわけです。
私も若手のころは、作業が中心になりがちでしたが、徐々に創造する「時間」をつくることができるよう心がけてきました。コストをいかに削減できるかという課題に対しても、部品点数を減らしたり、組み立て工程を減らすことで、製造にかかる工数を減らせることを創造して、設計開発に工夫を凝らした経験があります。
設計開発に時間をかけたとしても、そのような創造的な提案をおこなうことができれば、トータル的にアウトプットが高められると考えています。
エンジニアの皆さんにも、ぜひお客さまのニーズをしっかりくみ取り、さまざまな視野・視界をもって、創造的な提案をしてもらいたい。単なる作業としての「時間」ではなく、創造する「時間」として活用することで、今以上の付加価値をお客さまに提供することが、必ずできます。
それが、ハイエンドの市場対価を生み出すことにつながっていくのです。
一方、個人の「時間」は、家族や趣味、自己啓発への投資など、人生を謳歌(おうか)するために活用することが必要です。
私自身は、どちからというと仕事がいつも気になるほうで、あまり家族や趣味の「時間」をつくってこれませんでした。
エンジニアの皆さんも、休日に仕事のことを考えてしまうことが少なくないと思いますが、思い切って非日常の「時間」を活用してみてください。OFFの「時間」を充実させることは、結果的にONの「時間」も充実させ、仕事の生産性やアウトプットにつながることが期待できます。
マネージャー活動や会社のイベントに参加することも、その一つだと思います。メイテックの場合は、エンジニアの皆さんが同じ職場で働いているわけではないので、単にエンジニアという、職業が同じ仲間として、つながり、語り合うことができます。
家族で参加できるイベントやものづくりなどの趣味を活かしたイベントなど。そして語学や知識を高めるための自己啓発勉強会もあります。
是非、人生を謳歌(おうか)していくために、個人の「時間」を計画的に活用してみてください。
仕事の「時間」と個人の「時間」の両方を、バランスよく充実させていくことで、「豊かなエンジニア人生」を会社と共に創っていきましょう。
メイテックグループCEO
代表取締役社長 國分 秀世