私たちは、何かを学ぶ際に、多くの「気付き」を得ることができます。その「気付き」を、「気付き」のままで終わらせてしまうか、次のアクションに活かすかどうかが、とても重要になります。
2018年夏号の季刊誌SYORYU(社内報)では、「学び」をテーマに特集を組みました。私が「学び」について常日ごろ思っていることは、学んだことを成果に結びつけるところまでが、「学び」だということです。例えば、研修を受けて「気付き」を得たまでであれば、それは人に教えてもらっただけの受動的行動でしかありません。そこで得た「気付き」を実践で試しながら自分のものにしていき、能動的に活かせるようになることで成果に結びつけることができます。
少なくとも、「学び」によって、最終的には「人に教えられる」という領域までを目指してほしいと思っています。
私は、「学び」には4つのステップがあると考えます。
1.概念の理解:知識を身に付ける
2.具体的な理解:身に付けた知識を試して経験にする
3.実効性の理解:自分のものにして成果につなげる
4.本質的な理解:人に教えられる、他人を動かすことができる(見識を備えた状態)
メイテックでは、現役のエンジニアが社内研修講師を務めます。
研修受講者にとって、現役のエンジニアから学べることは即実践で役に立つということもあり、非常に好評なわけですが、翻って、社内研修講師にとってはどうでしょうか。研修受講者もエンジニアですから、半端な理解で講師を行うわけにはいきません。プレッシャーもかかります。それだけに、今まで培ってきた多くの経験を棚卸しして、「自分の引き出し」を研修内容にフル活用することで、研修受講者も期待以上に満足し、それを見た講師自身も「うれしい」のだと思います。そして、講師という役割を通して、新たな知識と経験、新たな「自分の引き出し」を増やすという成果を得ることができる。だからこそ、「やってみる」価値は高いのです。
社内研修講師を務めたことのあるエンジニアが声をそろえて言うことは、「一度は社内研修講師を務めた方がいい」という言葉。まさに、社内研修講師を経験することは、前述の「見識を備えた状態」に自ら挑戦し、実現するための「学び」といえます。
2018年夏号の季刊誌SYORYU(社内報)の中でも、さまざまな「学び」に取り組む社員やその活動、また世の中に「学び」の機会を広げることに挑戦する社外の方などを、紹介しています。社員の皆さんにとって、今最も大事なものや最も興味のあるものを「学び」にするためにも、ぜひ今回の社内報を参考にしてほしいと思います。
メイテックグループCEO
代表取締役社長 國分 秀世