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2019年5月 (社員向け)月例社長メッセージ

3億キロ彼方の奇跡

2019年は、きっと宇宙の謎の解明に迫る大きなターニングポイントになることでしょう。

というのも、ここ最近私たちの想像をはるかに超えるような「成功」が発表されています。小惑星探査機「はやぶさ2」による3億キロ彼方(かなた)の小惑星「りゅうぐう」への着陸成功と精度の高い探査ミッション。そして、地球上の8つの電波望遠鏡を結合して地球から5,500万光年の距離にあるブラックホールの撮影成功。この2つの「成功」は、飽くなき探求心と挑戦と継続の賜物だと思いますが、まさに「言うは易く行うは難し」の偉業です。

「はやぶさ2」については、初代「はやぶさ」の教訓と経験を活かして、300社近くの日本企業がさまざまな改良や新技術を開発・製造し、技術の粋を結集したとのことです。何か一つの機能や部品が故障しても、ミッションの達成は困難になるわけですから、トラブルを想定したバックアップの準備をしたり、シミュレーションを幾度となく繰り返してきたりしたことでしょう。「行ける星」にたどり着くのではなく、「行きたい星」に向けて、宇宙空間の過酷な環境を分析し、あらゆる可能性を熟考して挑戦してきた成果が、ようやく実を結んだのです。

私は、未知の世界だった宇宙の謎が徐々に解明されていくことに、非常にワクワクしています。エンジニアの皆さんも、この度のニュースは壮大なロマンを感じていることと思います。

さて、皆さんの業務においても、設計・開発を進める上でなかなか最良のアイディアが浮かばないことはよくあるのではないでしょうか。しかしながら、さまざまな情報を仕入れたり、必要な知識を学んだり、ほかのエンジニアや専門家とディスカッションして、最良のアイディアを導き出していることと思います。そのプロセスの中で、一番大事なのは「考え続ける」こと。探求心と挑戦する力、継続する力をもって「考え続ける」ことができれば、必ず物事は成し遂げられると私は信じています。

先日、4月に入社した、430名の新卒社員の皆さんに講話を行う機会がありました。その際、「人間の記憶力はあいまいなものだから、『記憶』に留めるのではなく、『記録』にすることが重要だ」という話をしました。それを繰り返して自分の中で咀嚼(そしゃく)し、自分の思考のフレームをつくっていく。これは、「考え続ける」ための基礎となり、糧となりますから、社会人スタートのタイミングで、新卒社員の皆さんには知っておいて欲しいと考えました。

当たり前だと思うことを、継続して愚直に積み上げていくことのできる人こそ、誰も成し遂げられなかった偉業にたどり着けるのです。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 國分 秀世