Loading

2022年3月 (社員向け)社長メッセージ

宇宙開発への期待

国際連合広報センターによると、世界人口は2019年の77億人から2050年には97億人に増大すると推計されています。過去から今に至るまで、世界人口は増加し続けており、地球の資源はますます枯渇していくことが予想されます。私たちは、陸・海・空・地下にあるさまざまな資源を活用していますが、次世代に引き継ぐためにも、有限の地球資源を無駄遣いすることはできません。
 

そこで期待されているのが、宇宙開発です。国内の宇宙産業の市場規模は現在1.2 兆円(内閣府調べ)となっており、2030 年代に政府は倍増⽬標を掲げています。世界に⽬を向けるとその市場規模は2020 年で40兆円、2040 年には160 兆円という膨大なものになることが予測(モルガン・スタンレー調べ)されています。
 

私は、宇宙開発の主な目的は以下の2つがあると考えます。
それは、
(1)人類が地球で生活を維持するための課題解決
(2)宇宙を生活空間や活動領域の場として活用すること、です。
 

(1)は優先度が高く、既に人工衛星によるGPS(全地球測位システム)やEOIS(地球観測情報システム)など、インフラとして私たちの生活を支えています。さらに自動車やドローン、農機、船などの自動運転に活用するための実証実験も行われています。資源開発についても、月や火星、小惑星への水や鉱物などの資源探査が着実に進んでいます。
 

(2)については、2021年に初の民間企業による宇宙旅行が実現し、「宇宙旅行元年」となりました。今後も旅行に限らず、宇宙空間を活用したサービスの開発に、多くの企業が参画することが予想されます。
 

宇宙開発におけるテクノロジーの進化に目を向けると、小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」で実用化された電気推進システムのイオンエンジンは、深宇宙探査には不可欠なテクノロジー開発であり、その確実な動作や信頼性は全世界に証明されました。真空中でしか作動できないため地球での活用は難しいですが、宇宙空間という特別な環境に適したテクノロジーの開発に携われることも、エンジニアにとっては大変興味深いことだと思います。
 

エンジニアの皆さんにとっては、このような技術開発機会がますます増えるわけですから、現有するテクノロジーと新たなテクノロジーの融合や、業種・業界を超えたテクノロジーの開発経験からの斬新なアイデアで、付加価値を生み出してほしい。
 

そして、全てのテクノロジー開発は、必ずサステナビリティな社会の実現につながっています。エンジニアの皆さんは、「目の前の仕事がどんな社会貢献につながっているか」をあらためて自覚し、誇りをもって考動してください。
 

以上

代表取締役社長
國分 秀世