Loading

2022年6月 (社員向け)社長メッセージ

ロボットとの「共生」が進化する

「ロボット」という概念が、今急速に広がっています。「ロボット」と聞けば、大型の産業用ロボットや人型ロボットを想像する人が多いと思いますが、最近では、ロボット掃除機やお掃除ロボット付きエアコンと呼ばれる家電もあります。では、「ロボット」の定義とは一体なんでしょうか。
 

経済産業省が2006年に発行した『ロボット政策研究会報告書』によると、「ロボット」は「センサー、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義されています。そのため、広義で捉えると、自動運転やドローンなども「ロボット」の仲間と言えますが、逆に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やチャットボットのようなソフトウェアロボットは、知能系ではあるものの、駆動部がないため「ロボット」の仲間に含まれない、という解釈になります。
 

ただ、専門家の間では「ロボット」の定義への見解は分かれていて、専門の研究機関や大学教授などが提唱する定義は、いまだ統一されていないのが事実です。これは、「ロボット」が次世代技術を取り入れながら急速な変革を続けており、過去や現在の「ロボット」を表すのではなく、将来の展開を考えた定義付けが重要だと捉えているからでしょう。
 

私自身は、「ロボット」の概念として「人に代わって画一的、あるいは自律的にさまざまなコトを自動で行えるモノやサービス」だと考えています。ですので、形があってもなくても、その役割と機能が果たせるのであれば、それは「ロボット」だと、柔軟に捉えています。
 

さて、これからの「ロボット」産業のトレンドとして、人協働ロボットのように柔らかくてしなやかな「ソフトロボティクス」が注目され、研究・開発が進んでいます。「ロボット」が人と隔離した状態で稼働するのではなく、「ロボット」と人が一緒に働き、生活するという「共生」が、ますます進化していくでしょう。「ソフトロボティクス」は、駆動、センシング、制御、人工知能、材料など、技術要素が多岐に渡りますので、あらゆるエンジニアが活躍できる場や機会が広がります。
 

エンジニアの皆さんの技術力で、「ロボット」が今よりもっと活躍できるフィールドを増やし、豊かで安全で持続可能な社会の実現につなげていきましょう。
 

以上

代表取締役社長
國分 秀世