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2022年8月 (社員向け)社長メッセージ

水素社会への期待

今、世界中で喫緊に取り組まなければならない「サステナブルな社会実現」。そのために、2030年までに達成すべき開発目標「SDGs」として、17の目標が設定されています。また「SDGs」には、「環境・経済・社会の三側面において、バランスがとれ統合された形で達成する」ことが明記されています。人間が持続可能な経済活動や社会活動を営む上では、まず健全な地球環境がないと「サステナブルな社会実現」はできない、ということです。
 

私は、17の目標の中で、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「13.気候変動に具体的な対策を」に着目した場合、解決手段の選択肢として「水素」の存在が重要だと考えています。水素は、燃やしても水になるだけで二酸化炭素(CO2)を排出しないため、「究極のエコエネルギー」として、今後さまざまな利活用が期待できます。
 

水素の活用は、利用時だけでなく製造時や貯蔵・輸送時も含め、一貫した取り組みが必要と言えます。「つくる」「ためる」「はこぶ」「つかう」という水素サプライチェーンの構築です。既に日本でも、多くの企業が各プロセスにおいて実証を行っており、将来の脱炭素化を目指しています。
 

その中でも、「つかう」の代表格として、「モビリティー」が上げられます。モビリティー業界では石油に替わり、電気や水素などの新しいエネルギーを利用したクリーンエネルギー車の実用化が進んでいます。各国の自動車メーカーは、電気自動車(EV)を主軸として新車をリリースしていますが、EVには蓄電機能はあっても発電機能がないため、航続距離に課題があります。水素を燃料とした燃料電池車(FCV)は、発電機能があるため、航続距離の課題もクリアしやすい。また、水素を燃焼させるエンジンを搭載した水素エンジン車の開発も急加速しており、水素を活用したモビリティーの将来性に、ますます注目が集まっています。
 

このように、水素サプライチェーンの構築が進めば、水素がエネルギーの中心を担えるかもしれません。その時産業界には、大きなゲームチェンジが起こるでしょう。エンジニアの皆さんは、今までの単なる延長線上ではなく、蓄積してきた技術と新たに学び吸収する技術をもって、ゲームチェンジするお客さまと共に、新しい技術や製品の開発に挑戦してほしいと思います。そして、「サステナブルな社会実現」という世界共通の目的に、ぜひ貢献していきましょう。
 

以上

代表取締役社長
國分 秀世