2024年6月 (社員向け)社長メッセージ
「掛け合わせ」で応える
2024年5月に、経済産業省と国土交通省が連名で「モビリティDX戦略」を発表しました。これは、モビリティに関する社会的要請やユーザーニーズにGX(グリーン・トランスフォーメーション)とDX(デジタル・トランスフォーメーション)の「掛け合わせ」で応え、豊かな未来社会の実現を目指すものです。
日本の各企業は、今後GXとDXの2軸におけるハード技術とソフト技術を「掛け合わせ」て、業界の垣根を超え、新しいモビリティサービスの開発・提供に取り組むものと考えられます。その主要な領域として、
(1)車両の開発・設計の抜本的な刷新/車両のSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)化
(2)自動運転・MaaS技術などを活用した新たなモビリティサービスの提供
(3)データの利活用を通じた新たな価値の創造
の3つが、「モビリティDX戦略」では掲げられています。
(1)では、既に日本の主要なモビリティメーカーが、企業の枠を超えて連携し、次世代自動車向けのソフトやシステムをつなぐ基盤の仕様共通化を目指しており、世界市場での競争力強化に動いています。(2)では、自動運転やMaaS技術を進化させることによって、深刻な人材不足問題を抱える人流・物流サービスの持続的提供を目指します。さらに、地域で顕在化する移動課題や交通事故に対し、モビリティと異業種の「掛け合わせ」で新たなソリューションを提案し、安全で便利な交通社会を実現しようとしています。(3)では、自動車の製造~利用~廃棄のライフサイクルにおける無数のデータを統合的に把握。サプライチェーン・バリューチューンにおける異業種含めたさまざまなパートナーがデータ連携することで、データ利活用ビジネスの創出と活性化を目指しています。
このように、持続可能な社会の実現のためには、企業がそれぞれの強みを生かしつつ、業界の垣根を超えて技術を「掛け合わせ」ることで、新しい価値を提供していくことが求められています。私たちは、社会がどう変化するのか、それによりどのような技術が必要とされ、お客さまが何を私たちに期待しているのかを、いち早く感受することが大事です。そして部分的なニーズで受注を捉えるにとどまらず、全容を見渡したうえで最適解を提案し、技術力と人間力の「掛け合わせ」でお客さまの期待に応える。それが、「プロのエンジニア集団」として、追求していくべき姿です。
代表取締役社長
國分 秀世