2024年8月 (社員向け)社長メッセージ
宇宙から地球の課題解決に挑む
世界各国では、「持続可能な社会」を目指す上で、その視野を地球単独から宇宙へと拡大。今や宇宙と地球を一体的に捉えてさまざまな課題に立ち向かい、豊かな経済・社会活動を実現しようとしています。そのため、製造業からサービス業まで、幅広い分野で宇宙の利活用や参入を探る動きが広がっています。
宇宙開発とは、「宇宙空間を人類の社会的な営みに役立てる活動全般」を指しますが、その内容は多岐に渡ります。例えば、打ち上げられた人工衛星を利用した「通信サービス」「測位サービス」「地球観測サービス」などは、既に日常生活で必要不可欠なインフラです。また、宇宙の成り立ちや太陽系の探究、生命の痕跡を調べる「宇宙探査」は、人類や文明の解明・発展につながる活動と言えます。中長期的には、地球上では希少な資源・エネルギーの宇宙での開拓、月面での居住空間構想、宇宙観光など、地球の環境改善や人類の生活向上に大きく貢献することを目指しています。
こうした宇宙開発を支えるエンジニアや技術、スキルは、宇宙業界特有のものではなく、業界の垣根を超えて、異業界から求められることが増えています。宇宙ロケットや人工衛星の開発においては、開発途中での仕様変更に柔軟に対応できる「アジャイル型」開発が注目されています。また、MBSE(モデルベースシステムズエンジニアリング)という要求定義から具現化までの全体最適を図るプロセスを用いて、開発効率を高めることに取り組んでおり、IT業界や自動車業界で培った開発経験を存分に発揮することができます。
社員の皆さんは、宇宙産業はまだ遠い存在だと思っているかもしれません。しかしながら、国家主導型から段階的な民営化を経て、今や宇宙産業は民間主導のビジネスに変貌しつつあります。自動車や家電製品と変わらず、身近な存在になっていることを感受しましょう。宇宙産業は、2030年には約150兆円の市場規模(マッキンゼー・アンド・カンパニー予測)になる成長産業であり、かつ巨大市場です。無限の可能性を秘めたフロンティアへ皆さんがチャレンジするために、自分に足りてない技術やスキルは何か、どう身に付けるのか、を考動してほしい。皆さんが、宇宙から地球の課題解決に挑むエンジニアとして、地球の豊かな未来に貢献していくことを期待します。
代表取締役社長
國分 秀世